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湯ヶ野温泉(源泉名不明、2本使用)(ユガノオンセン)

【湯本楼】※宿泊利用・立寄り不可




【住所】  静岡県賀茂郡河津町湯ヶ野128-1
【電話】  0558-35-7024
【料金】  ー (宿泊のみ)

【泉種】
  (本館:源泉名不明)
       単純温泉 pH・温度・湧出量・成分量・分析年度不明(分析表掲示無)

      (新館:源泉名なし) 
       アルカリ性ナトリウムー硫酸塩・塩化物温泉
(温泉分析表は旧表示:含食塩-芒硝泉)
        pH8.6 62.5℃ 104.3L/分 1.58g/kg S34分析


【備品】  シャンプー・リンス・ボディソープ・タオル大小
【営業】  日帰不対応
【記録】  2012/05/06

【評価】

施設 ★★
お湯 ★★★★★
湯上感 ★★★
料金
総合 ★★★


【コメント】

 先に記しておきますとGWの最後に利用させていただいた宿なのですが、この宿は立寄り入浴に対応しておりません。しかも1階には共同浴場もあるのですが、地元の方専用となっております。

 そんな温泉宿の温泉評価、しっかりとさせていただきます。この湯ヶ野温泉、川端康成の「伊豆の踊り子」・井上靖の「しろばんば」の舞台として有名な地であり、文豪が愛した土地でもあります。また近くには「天城峠」がありますので、石川さゆりの「天城越え」を聞きながら向かうもよいでしょう(´ー`)ノ。なおこの宿の1階にある共同湯は「伊豆の踊り子」で登場するものであるとのこと。

 宿は川沿いにあるのですが、国道から細い路地に入り、車両不可の階段道路下にありますので、駐車場はその階段上に位置します。しかも3台分しかなく狭い為に、大きな車はさらに離れた場所を案内されます。

 そんな宿は入口が手動であり、昭和の匂いがプンプンする旅館。まずはドアを開けて声を掛けてチェックインを済ませます。対応はすべて女将が対応してくれて、温泉はこの右のドアを開けるとあると「檜の文学風呂」、別館には「五色の岩風呂」がありどちらも内側から鍵を掛けて貸切利用可能とのことです。

 今回は宿泊利用なので、文学の湯の上に位置する部屋にて荷物を置いた後にその文学の湯に入泉しました。玄関横にあるこの浴場はドアを開けると左側に棚と籠が置いてあり、その階段下に湯船と洗い場が設置されています。

 脱衣スペースは大人4名も立ってしまうと身動きが取れなくなってしまう広さであり、貸切利用可能という点で大人数利用は考えられていないようです。鍵付きロッカーはありませんが、浴場自体に鍵が付いていますので、問題無いでしょう。

 脱衣の後階段を下りて浴場に向かいます。浴場は洗い場が右奥に2箇所と左手に主浴槽が1つ設置されているのみでシンプルな造りとなっています。洗い場は仕切りがなく、鏡がありませんでした。またシャワーもお湯が出るまでにしばらく時間が掛かってしまいました。

 こりゃ近代設備に慣れている方だと少々使いにくい施設であることは間違えありません。また洗い場のすぐ近くに湯船が設置されていますので、シャワーなど使用するときは扱いに注意が必要ですね。

 体を洗い湯船に浸かると一気に湯船のお湯が溢れて少々贅沢な気分を味わえます。その湯船で使われている自家源泉のお湯は40℃程になっており、肌触りが柔らかく無色透明で微かな岩石臭がするのみ。

 利用状況も掲示されておりませんが未加温・掛け流し・未消毒であり加水の有無は確認できませんでした。ただ加温されていないお湯は適度な温度で湯船に投入されており、投入量と同じお湯が縁から溢れていきます。

 上の方にある窓からは採光用の為だけで何も見えませんが、道を歩く方の会話や川の流れる音が聞こえてきます。地面よりも低い位置に内湯があるのは不思議な感覚ですね。

 15分ほどゆっくり浸かり夕食などでゆっくりしますが、湯上り感はこれといって特徴はありませんでした。女将の話では温度だけで温泉法に適合しているようなので、成分的にはこれといって特徴が無いのかもしれません。ぜひどこかにしまい込んだ温泉分析表を探し出して掲示して頂きたいものです。

 時間を置いて今度は離れの浴場へ向かいます。離れは宿の横に道を挟んで立っており、玄関はいつでも開いておりました。離れの浴場は玄関から見て一番奥にあり、ここでも階段にて半地下へ降りる造りになっています。

 なおこの離れにはしっかりと温泉分析表が入口下駄箱上に掲示されているのですが、残念ながら分析年月日が昭和30年代と年代物です。これは温泉宿としては一刻も早く最新の分析表に切り替えるべきでしょう。そんな温泉分析表での泉質は弱アルカリ性カルシウム・ナトリウム-硫酸塩温泉となっており、本館横の共同湯と同じ泉質です。

 脱衣所はコンクリート打ちっぱなしの天井・奥行きともに狭く、閉塞感のある中で籠が3つ置いてあるのみ。大人が3人居たらかなり窮屈な状態になりそうです。またこの脱衣所も内側から鍵がかけられますので、貸切利用が可能ですよ。

 浴場は溶岩石に囲まれた空間になっており、上の隙間と側面の小さな窓から採光できるように造られています。側面の窓からは横を流れる川を望むことが出来ますが、浸かっていると見ることが出来ません。

 洗い場はこちらも仕切りなどなく、鏡もありません。その辺りの装備はどうしてもこの宿は昔ながらで貧弱ですね。ささっと脱衣の後、メインである浴場へ向かいます。

 湯船は岩風呂風でお湯が投入された分だけ、縁からお湯が溢れ出しています。お湯は文学風呂と同じ無色透明で弱い鉱石臭が感じられる程度なのですが、肌触りは間違えなく文学の湯より重みを感じますし、しっとり感もえられました。やはり源泉井戸が違うと、湧出するお湯も違いますなぁ。

 この新館での利用状況は本館と同じ掛け流し・未加温・未加水・未消毒と感じましたが、利用状況は掲示されておりませんでしたのであくまで予想です。装備はぼろくても十分一級品の温泉は堪能できますので、少し寂れた温泉旅館が好きな方にはお勧めですよ。

 なお宿の1階にある共同湯は外来不可で地元専用なのですが、井戸が違えどしっかり温泉分析表が掲示されています。利用する場合は女将に一言声を掛けましょう。この共同湯は共同湯(湯ケ野3号)源泉を利用しており、浴場は至ってシンプルな造りとなっています。

 1つの旅館に2つの源泉及び1つの共同湯で別源泉利用という温泉王国伊豆ならではの贅沢さ、老若男女問わず入浴しやすい泉質であり静かに過ごせる温泉郷でありました。



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