気温22度で曇りの天気の中、午後1時より入泉です。御在所ロープウェイの乗り場横に施設に向かう道があるのですが、目立たない上に勾配もありすれ違いが難しい道路となっています。その道路を50m程下ると左手に駐車場があり、右手に施設が現れます。冬の積雪時はスタッドレスタイヤだけでなく、チェーンの装備が必要かもしれません。
施設は大きなホテルではなく2階建ての和風の旅館といった佇まいであります。引き戸の入口から施設内に入るとすぐに下足を脱ぐスペースになっており、左側にコンパクトなフロント・右手に8人程が待機できるロビー?があります。下足はそのまま端に寄せて置き去りにし、出迎えた女将がフロントにて受付をしてくれます。また「スリッパが必要な方はご利用ください」という自由なスタイルなので、スリッパをおススメされて履かされるような施設ではありません。
その場で入泉料をお支払いし、右側の通路をまっすぐ行くと浴場になるとの案内を受けて、施設を進みます。途中で厨房横を通過するのですが、和食の良い香りが漂っています。この体験だけでも非日常を感じてしまうのは、日々単調な生活を送っている為なんだろうなぁと考えてしまいます。脱衣所は通路進み階段を下りた場所にありますが、バリアフリーではありませんのでお気を付けください。
脱衣所内部は籠と洗面台で構成されており、洗面台に額縁に入った温泉分析表が掲示されています。無論宿泊施設なのでドライヤーやヘアトニック等は置いてあるのですが、ブラシや綿棒などの備品はありませんでした。またベビーベットもないのですが、ベンチが設置されていますので、いざとなれば何とかなります。コンパクトな脱衣所ですが、側面に窓がある為に明るく、閉塞感はありません。
温泉分析表は残念ながら17年前のH16分析のものが掲示されており、温泉の利用状況も掲示されていません。温泉宿としてはそのあたりを掲示して頂きたいものです。
浴場内部は洗い場と1つの湯船、昔打たせ湯があったであろう形跡で構成されており、至ってシンプル。年季が入っていますが、綺麗に管理されています。温泉の泉質が放射能泉なので、狭い浴場でラドンを取り入れやすくする造りであることは明白ではありますが、一般客にそれが伝わらないと「残念な施設」と思われてしまいそうです。放射能泉の特徴を説明する張り紙があれば良いだろうに・・・。
洗い場は仕切りが無く、鏡とシャワーは設置されていますが照明は各席に1つあるというわけではありません。シャワーは押しボタン式ではなく、己で調整するタイプとなっていますので、お湯は大事に使いましょう。まぁ宿なのでさすがに古いながらも綺麗に管理されています。そそくさと体を洗い、唯一の湯船に浸かります。
内湯は10人程で満員御礼のサイズとなっており、横から少量のお湯が廃棄されています。また後付け感のあるジェットバスの装置が付けられており、窓際は流れがあります。
湯船の湯温は40.5℃程で無色透明、単純弱放射能泉なので見た目は特徴はありませんが、鉱石臭と塩素臭が感じられるお湯です。貸し切り状態の中、ゆっくり浸からさせていただきますが、側面の窓ガラスは摺りガラスとなっており、景色はなく採光のみに活用されています。立地的に他の施設や道路から見えてしまう為かもしれませんが、ちょっと寂しいですね。でもその分お湯に集中できます。
お湯の利用状況は残念ながらどこにも記載されていません。思うに一部放流循環濾過・加熱・塩素消毒は判りますが加水については判りませんでした。ただラドンは間違えなく存在しており、私の体はRn37相当の湯あたりを起こして、体が暫く汗を出しているような状況でした。
いやそれにしても温泉分析表は古い上に泉質は「中純弱放射能温泉」などと書かれており、中純ってなんなのさ・・・などとツッコミどころは満載です。温泉宿としては温泉の知識が無いのでは?と思える状況です。30分程一人でゆったり浸かり、浴場を後にしました。
休憩エリアは女子脱衣所前にベンチが2つほど設置されているのですが、設置場所的に男がいると気まずい位置なので施設のロビーの様なスペースで少し休憩させて頂きました。
湯上り感はポカポカ感を超えて熱い感覚が30分程残り、しっかり放射能泉らしい感覚が得られましたが、単純弱放射能温泉なのでそこまで強い訳ではありません。
立地を活かした温泉施設ですが、個人的にはロープウェイ駅近くながらその利点を活かしきっていないように思えて仕方ありません。また温泉の情報をもう少し頭に入れて頂いて、アピールするだけでも変わるように思えます。さらに地元のお土産や特産品をもう少し売り込んでも良いかな〜と思えます。ダメ出しが多くなってしまいましたが、末永く頑張って頂きたい施設です。