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片岡温泉(湯の山片岡温泉源泉)(かたおかおんせん)

【AQUA x IGNIS】




【住所】  三重県三重郡菰野町菰野4800-1


【電話】  059-394-7733
【料金】  800円(平日600円)

【泉種】
  アルカリ性単純温泉
       pH8.5 Rn4.8 45.2℃ 780L/分 0.54g/kg H23分析

【備品】  シャンプー・リンス・ボディソープ・ドライヤー
【営業】  6時~24時 無休
【記 録】  2012/12/25 【再訪1】 2014/02/11 【再訪2】 2018/08/19
【再訪3】 2023/11/26

【評価】

施設 ★★★★
お湯 ★★★★
湯上感 ★★★
料金
総合 ★★★★


【コメント】

 気温0℃で良い天気の中、まだ真っ暗な朝6時より評価させていただきました。なおこの施設は片岡温泉が今までの土地から移行し、2012年の秋オープンしました。

 今までの施設は目立たない線路横でしたが、国道沿いに移動した為に大型車でも駐車場に入りやすくなりました。施設自体も高さは無い為に遠くからは目立ちませんが、建築雑誌に使われそうなオシャレな建物になりました。しかも宿泊施設や有名パテシエ及び料理人のレストラン、ベーカリー、ケーキ店、イチゴ狩り施設、農場が併設されました。しかも結婚式まで請け負っています。

 広く取られた駐車場の片隅に車をとめて、中央に建てられた温泉施設らしからぬ建物へ向かいます。建物内部は1フロアのみで、天井=屋根・白を基調とした内装で広く感じられます。建物入口から見ると左手にフロント・右手奥に売店・その中間にコインレスの下駄箱が設置されております。      

 早速受付で入泉料を支払い、特に説明も無く受付完了。横にある下駄箱に靴を入れて、廊下を奥へ進んでいきます。途中には右手に休憩エリア・左手にカフェエリアが設置されておりますが、どこかの美術館的な雰囲気で温泉施設らしさが殆どありません。

 廊下の突当りが脱衣所入口になっているのですが、暖簾が展示物に思えてしまうほどにシンプル且つ立派です。あまりのインパクトに、その先に脱衣所が待っているのにも係わらず、思わずじっと見つめてしまいました(^^ゞ。

 脱衣所内は間接照明で灯された大人の雰囲気で、100円リターン式のロッカーが大小設置されています。なおベビーベットはありませんが、なぜかベビーバスが浴場入口近くに置いてありチグハグさを感じてしまいました。

 ささっと脱衣の後、浴場へ移動します。浴場入口近くには温泉分析表が小さいながらしっかり掲示されており、利用状況も一緒に明記されています。ここで気になったのは泉質は同じながら源泉名が以前の名前とは異なる上に、源泉住所も異なりますので、どうやら以前の施設とは源泉が異なります。

 浴場内は夜明け前のためか薄暗く、洗い場の照明と天井の間接照明のみで浴場内を照らしています。レイアウトは左右手前に洗い場・手前中央に掛け湯・奥に内湯・窓の外に各種露天風呂が設置されています。

 洗い場は仕切りが無いタイプで、シャワーや鏡といった快適装備はもちろん付いています。椅子や桶がプラスチック製なのですが、他の施設では見かけないデザインで斬新です。

 さらにソープ類は「辻口茶園」のシャンプー&コンディショナー&ボディソープ、匂いは高級品とすぐに判る甘くない香りでこの施設限定販売品。温泉評価をする上では匂いが邪魔なのですが、使用感はなかなかのもの。温泉を味わうというより、高級感を味わいたい方にはお勧めです。

 さっと体を洗い、浴場中央外側に設置された唯一の内湯へ浸かります。41℃程に感じられる湯船は長方形で大きく、ざっと50人は浸かれそうなサイズであり、湯船中央底からお湯が投入されて湯船の縁から排出されるタイプです。

 側面はガラス張りになっており、太陽が出ている時間であれば、浴場内も明るく感じられると思われます。しかし日の出時間前ということで、見えるものは何も無く小音量で流れる音楽を耳にしながらボーっと天井を眺めながら浸かります。

 源泉は今までの片岡温泉で利用していた井戸とは異なり、この施設を造るにあたって今までの井戸近くに再度掘削した為に、少々今までと感想が異なります。それにしてもなぜ使える井戸があったのに再掘削したのだろう?

 お湯は暗いために色は不明でしたが、弱い硫黄臭と微かな油臭がミックスされた匂いと、その匂いよりももう少し大人しくした味が感じられます。以前の井戸とは明らかに異なり、今までの特徴であった鉱石臭が殆ど感じられません。

 泉質が新旧とも単純泉ということもあり、成分比率も数字上は殆ど変わりません。しかしながらあまりにも入浴時の感想が変わってしまったのには、ただただびっくりです。個人的には鉱石臭がしっかり感じられる、以前の井戸の泉質のほうが好きですね。

 露天風呂は竹林が人工的に造られており、建物から近い順番に座湯・寝湯・桶風呂が設置されています。ただ照明は竹林の中に点々と暗い照明が数箇所設置されているのみなので、夜間は微かに足元が見える程に暗いです。またどの湯船にもしっかり屋根が設置されていますので、悪天候時でもじっくり湯船に浸かることが可能です。

 座湯は背中の部分にお湯が流れるタイプではなく、湯船の中が階段状になっており、その階段に座るタイプ。さらに目の前で源泉のお湯が投入されています。寝湯は普通に浅い湯船であり、この湯船周辺が一番暗く感じられます。瞑想するならこの湯船が一番なのかもしれません。

 一番奥にある桶風呂は中央の底からお湯が吹き出ているのですが、足を伸ばすとその吹き出し口に足が届いてしまいますので、少々熱いお湯が足に当たりつつも浸かることになります。また露天風呂は高い塀に囲われていますので、眺望は竹林以外何もありません。

 お湯の利用状況は未加水・未加温・未循環・未消毒となっており、全施設と同じ掛け流し利用となっています。しかし今までより施設はかなり立派に造られていますので、湯量が少々増えただけでは湯船から常時勢い良くお湯が溢れるのは不可能ですね。

 湯上りは脱衣所正面の左側に、大量のクッションが置いてある休憩エリアでゆっくり休むことが出来ます。湯上り感は地味に体がポカポカ温まり、肌はしっとりしているのが確認できます。これらの効果は3時間ほどで消えてしまい、その後疲れがしっかり出てしまいました。


 感想としては施設がデザイン優先に造られている為に、案内表示や照明・休憩エリアなどがご年配の方に優しくない施設になっています。その欠点が気にならない10代~50代の方には斬新且つ新しい温泉施設として大いに評価される施設だと思いました。


【再訪1】


 約1年ぶりの再訪にて状況を確認いたしました。未だにメディアの露出が多い施設の為か利用者がとても多く、若い男女が客層に多く含まれるのが他の温泉施設とは異なります。

 今回の利用は通路突き当り右側で前回と逆の浴場になりました。が、違いは露天風呂の配置だけで、竹林を中心に露天風呂は長方形の敷地にバランスよく方々に各湯船が設置されていました。

 脱衣所内・浴場内は明るい時間に利用したにも関わらず薄暗い状態ですので、開放的ではありません。大人の雰囲気であることは確かですが、子供も多く利用していますので何とも不思議な状態です。

 施設・サービス・お湯・湯上りに変更はありませんでしたが、日中は人が多くて落ち着きませんでした。


【再訪2】


 4年半ぶりの再訪にて状況を把握しました。施設横では新名神高速道路が建設中で、旧施 設はこのために立ち退いたんだなぁと実感してしまいました。変更点はありませんが、露天風 呂の眺めは変貌し、巨大コンクリート構造物が眺められます。これは一部マニアと業界の方に は素晴らしいかもしれませんが、一般的には評価されないような気がします・・・。


【再訪3】


 約5年ぶりの再訪で状況を確認致しました。変更点は下記の通りです。

・入泉料が600円⇒800円に変更されていました。
・温泉分析表がH23分析から10年以上経過していますが、変更されておらずH23年のものがまだ掲示されていました。
・露天風呂から見上げる新名神高速道路が運用を開始しており、時の流れを感じました。
・施設横の結婚式場はギャラリーに運用が変更されていました。

それにしてもアクアイグニスサンの公式HPを確認すると、この10年でかなり手広く運営をチャレンジしていますね。温泉から始まって軸がブレずに地域物産とのコラボレーション、それをモデルに他のエリアに進出。他の施設より大胆に早く行動している印象を受けます。今後も頑張って欲しいですね。



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