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渡合温泉(どあいおんせん)

【付知峡渡合温泉旅館】




【住所】  岐阜県中津川市加子母渡合
【電話】  090-1092-8588(衛星携帯電話)
【料金】  500円

【泉種】  弱アルカリ性温泉法第2条適合泉(フッ素・メタホウ酸・炭酸水素ナトリウムにて適合)
       pH7.8 Rn8.2 11.2℃ 0.7L/分 0.85g/kg H21分析

【備品】  ボディソープ・石鹸・剃刀・シェービングムース
【営業】  要確認
【記録】  2012/09/29

【評価】

施設 ★★★
お湯 ★★★★
湯上感 ★★★★
料金 ★★
総合 ★★★★


【コメント】

 今まで行きたくても施設へ通じる道は荒れた未舗装山岳路の為に、車高の低い車では辿りつく事が不可能な施設の為に未評価でした(スポーツタイプ以外の車なら通行可能)。今回掲示板にこの施設の書き込みがあった為、一念発起し各種裏技にて車高を2cm程高くして辿りつく事が出来ました。

 なお事前に施設には電話にて入泉予約を取っておきましょう。この日は朝9時過ぎに連絡を入れて昼過ぎならOKを頂きましたが、昼過ぎに電話された方は「本日宿泊者多数の為不可」となっていました。

 また4月から11月までは自力で施設へ向かえますが、冬は山岳路が閉鎖されてしまうので一般車両は通行できなくなるとのこと。宿泊利用のみ送迎されるようなので、徒歩でなければ立寄り入浴は難しくなります。(積雪の為実質不可能)

 前置きが長くなりましたが、付知峡からの道を進み、途中未舗装路に変化し熊と落石に注意しつつ45分ほど走ると施設近くに到着します(RV車なら20分?)。魚の養殖所横が広い駐車場になっていますが、宿はそこから階段を上がったところに建てられています。

 「本日日帰り入浴終了」の札が出ていますが、入口で旦那さんに声を掛け「朝お電話したものですが〜」と切り出しますと、女将さんに声がかかり、スリッパを用意しながら「道凄かったでしょう」と笑いつつ対応してくださいました。その間に旦那さんはお風呂の状態を確認しに行かれました。

 その施設内には薪ストーブと古い多数のラジオ及びカメラ、天井には石油ランプが多数ぶら下っています。そう、この宿は電気が自己水力発電のみで、照明はランプ使用なのです。電気も電話も無い上に携帯電話の電波も無い為に、ランプと衛星携帯電話なのですね。

 下駄箱はあるのですがその場で靴を脱ぎ、スリッパに履き替えた上で入泉料を支払い、建物奥の脱衣所前まで案内を受けます。途中の廊下では周辺の四季を感じられる写真や昔懐かしい水鉄砲等が陳列されていますよ。

 脱衣所は左が女性・右が男性となっており、「今日はシャワーが水しか出ないよ〜」と旦那さんに伝えられました。まぁ湯船のお湯を使うから良いさぁ、と思いつつ脱衣所へ入ります。なおこの脱衣所は照明のスイッチがあるのですが、電気が通されていない為に意味がありません。(ここでも夜間はランプが使われています)

 壁には温泉分析表がしっかりと掲示されておりますが、利用状況表はありませんでした。ちょっと残念かなぁと思いつつ、篭の中に衣類を入れて浴場へ向かいます。貴重品ロッカーや鍵付きロッカーはありませんので、大金持ちな方は注意したほうが良いかもしれませんね。

 浴場は右側に2つの湯船と左側に洗い場のみのシンプルな造りとなっています。側面は窓が広く取られており、日中は照明無しでも採光が出来ていますので薄暗さは感じません。

 洗い場は2席設置されていますが、先に記したようにこの日はシャワーからお湯は出ませんので、湯船の木製蓋を一部とってから湯船からお湯を汲み出して体を洗います。

 装備面では洗い場の仕切りは無く、ソープは石鹸もしくはボディソープのみ設置されているので、シャンプー及びリンスが必要な方は持参したほうが良いでしょう。鏡は設置されていますが、照明は夜になるとランプが燈されますので薄暗くて使い物にはならないでしょう。でも雰囲気はありそうですね〜。ささっと体を洗い窓際にある大きな湯船の蓋を全面取り払って、ゆったり浸かります。

 大きな湯船は大人3人が体育座りで入れるほどのサイズで、壁には2つの蛇口が設置されていています。窓の外と側面の壁にはランプが設置されており、夜はこれらの灯りで入浴を行うようです。

 42℃程に設定されたお湯は無色透明で、殆ど匂いもありません。しばらく浸かっていると硬水なのかキシキシと硬く感じられ、匂いが微かに鉱石臭が感じられる他は特徴の無いお湯です。しかしながら弱アルカリ性のためか余計なものが無くなり、ザラッとした地肌が弱いながらも感じられました。

 お湯の利用状況は湯船横の蛇口及び他の張り紙・成分表から察するに、お湯の湧出量0.7L/分から溜め湯で加温・未加水・未消毒といったところでしょう。循環施設はなく、湯船の下はスノコ状になっています。公式HPでは浴槽は下から沸かす「五右衛門風呂」ですよと書いてありますので、そのためのスノコなのでしょう。

 小さい湯船も同じ温度で、お湯も全く同じです。二つの五右衛門風呂で同じ温度に調整できる、旦那さんの技術に敬服です。半身浴・全身浴を繰り返しながら、貸切状態の浴場で30分程ゆったりさせて頂きました。

 湯上りは宿の玄関のところでゆっくりすることが出来ます。この時はチェックインの時間に備えて「ウエルカムランプ」が既に燈されていました。携帯の電波も入らず電気も無い宿は、川のせせらぎと衛星携帯電話の呼び出し音、人の会話しかありません。これで衛星電話の音が無かったら、自然の音しかなくなりますね。

 湯上り感は微かに体が温まる以外、これといった特徴がありませんでした。お湯の成分量は0.85g/Lなのですが、浸かった感じはあっさりしたモノです。これなら老人から子供まで楽しめる泉質ではありますが、お湯に特徴を求める方や刺激のある温泉が好きな方には少々物足りないかもしれませんね。



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